トウ小平 講談社学術文庫



トウ小平 講談社学術文庫
トウ小平   講談社学術文庫

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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現代中国の課題とこれからの中国がわかる書

 毛沢東から、「綿中に針を蔵す」と言われたケ小平。フランス留学からモスクワへ。長征に参加し、毛沢東と共に現代中国を建国。そして、3回の失脚と名誉回復を経て、中国の改革開放路線を現代化した政治家の生き様を描いています。
 目を引いたのが、自分たちが作った共産党が、毛沢東の独裁体制の中で、ひとり歩きをし始めたこと。そして、2度の天安門事件の内実と、その後遺症を引きずる党内の派閥抗争など。
 この書は、ケ小平の物語にとどまらず、彼に影響を与えた毛沢東や現代の党幹部たちのこと、また現代中国の課題などが率直に解き明かされています。中国の現代と将来を語る時、この書は必要です。


現在の中国経済発展の礎を築いた「赤い資本主義者」の素顔を描く

この本によると彼と毛沢東の先祖は、ともに明朝の創業者、洪武帝の軍団の武官だったという。しかも彼の一族の方が、毛沢東の一族より断然高い地位にあり、明代には高級官僚を多数輩出していたそうである。また双方とも「客家」と呼ばれる漢民族でも特殊な集団に属することはよく知られる。毛沢東は最初から彼を「綿中に針あり」と評し、警戒していた。若い頃中国から一歩も外に出たことのなかった毛沢東と違って(それが海外事情に疎い「赤い皇帝」が大躍進や文化大革命で大失敗を犯した遠因だと言われている)彼はフランス留学経験もあり、海外事情に通じ、見識も広かった。その彼も文化大革命の時には劉少奇と共に最大の打倒対象とされ、紅衛兵に吊るし上げられ、農耕や作業に従事させられた。後の「天安門事件」の悲劇は、民主化運動をみて「文革の再来」だとして過去の体験が蘇り、極度な恐怖感によって生じた彼の誤認が原因だったと筆者は判断している。



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