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ドイツ史10講 (岩波新書)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 12647 位
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| 参考価格: | ¥ 777 (消費税込)
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良い感じ
小著ながら、良い感じ。
わずかなページ数のなかに
重要な情報が織り込まれて、
かつ読み物としてメリハリがあって
面白く読める。
文中に著者の師匠として、
堀米庸三や林健太郎など懐かしい名前があがっていた。
そこから著者自身の視点も、おおよそわかるような気がした。
徳川幕藩体制は300諸侯だったか・・・。
ゲルマンの諸部族(6つほど挙げてある)が、
金印勅書の選帝侯は7に、
ナポレオンによって、300の大小領邦国家が
40ほどに整理される。
ビスマルクの頃、25に
そして2008年現在、ドイツは16州。
ザクセン、バイエルンなどの王国と、
ケルン、ブレーメンなどの都市は
古くから顔を出す老舗なんだと思った。
ドイツ史の流れを知るのに好適
本書は「あとがき」にあるように柴田三千雄氏の『フランス史10講』とセットになった叙述である。「フランス史」の方が先に出るのが望ましいが、出版の事情で本書(「ドイツ史」)の方が先に出たそうである。さいわい、小生は「フランス史」の方を先に読んだので好都合であった。西ローマ帝国滅亡後の混沌としたヨーロッパにどのようにしてフランス、ドイツ、イタリアといった国民国家が生まれてきたか、そして夫々の国民のアイデンティティはどのようなものなのか、といったところに知的好奇心がくすぐられていた。
本書はローマ帝国時代のドイツから始まり、二千数百年の歴史を大きな概説書の縮刷版ではなく、著者の捉え方により10講に分けて記述されている。コンパクトながらドイツ史を知るよい入門書であり、また自ずから著者のドイツ史となっている。
ドイツの歴史は異教徒であるゲルマンがキリスト教を受け入れ、またローマ教会の権威を統治に利用してきた歴史でもある。その神聖ローマ帝国が崩壊し、近世に入って普仏戦争の結果、ドイツ帝国が誕生する。しかし、ドイツ史上、中央集権国家となったのはナチスによる一党国家になったときであったという指摘にはなるほどと思った。
8講以降(第一次世界大戦?)の現代史は評価が定まらない面がある。ゲーテやシラーを生んだドイツがどうしてナチスのようなものを生み出してしまったのか?
第二次大戦の総括は同じ敗戦国である日本以上に時間がかかりそうである。東西分割統治の産物である「ベルリンの壁」開放からはまだ20年に満たない。ナチズムを糾弾し続けたG・グラスがナチの親衛隊にいたことを告白したのはつい最近のことである。
著者は10章でいまのドイツの政治社会は「緑の党」のようなプロテスト政党をも包摂し、これをもって民主主義の成熟であるというが、この点についてはやや違和感がある。
著者のストイックな態度が心地よい読書体験を生む
本書は複雑なドイツ史の流れをコンパクトに整理して、新書サイズにまとめた本です。
歴史の本をそれなりに読んだ人は経験があると思うのですが、
通史を描いた概説的な本の場合、表面をなぞった無味乾燥な記述になりがちです。
また、それなりに詳しく記述した本の場合は、それぞれの時代の専門家が章ごとに分担して執筆するのがふつうです。
そういった本の場合は各章がおもしろくても、前後のつながりがなく、通史がスッキリ頭に入るとは言えません。
その点、本書はドイツ近代史の大家が一人で通史を書いているのが特長です。
しかも専門外の部分の元ネタも明かしています。こういったストイックは本は貴重です。
ドイツ史は複雑です。そもそも「ドイツ」領域がどこまでを指すのかも一定していません。
しかし、本書では神聖ローマ帝国のころの領邦国家の分裂状態が近代ドイツの統一後も影響を及ぼし続けたことや、「ドイツ」領域への強いアイデンティティと、一方で分裂状態が解消しがたいこととの天秤状態が、新しい「ヨーロッパ」モデルを提示していることが理解できます。
高校時代に暗記したキーワードが点から線へとつながる感覚を味わうことができました。
コンパクトで要領を得たドイツ民族の歴史
本書は、ローマ帝国期以来のドイツ民族の歩みについて、「ヨーロッパの中のドイツ」といった観点を縦糸としつつ、極めてコンパクトな形で分かり易く解説するものです。二千数百年の歴史を10講に分け、その後のドイツの運命に大きな影響を及ぼした場面に注目しつつ、各時代における政治的・社会的な発展状況や欧州国際社会との関わり合いなどを、メリハリを十分に利かせながらテンポ良く説明しています。 一国の通史をこうした形で一冊にまとめるのは大変なことだと思います。そうした作業の過程では、どういった時代や出来事を重視しているか、その国の歴史の流れをどういった視点から捉えているかがストレートに問われます。そうした意味で本書は、そのコンパクトさや平易さにかかわらず、坂井ドイツ史学の集大成であり、また坂井教授によるドイツ認識そのものを語るものと言えます。 「ドイツというものに対する捉え方」という意味で本書が成功しているか否かについては、もとより西洋史ファン諸兄の評価に俟つしかありません。しかしながら、小生としては、この本を読んでみて、現代ドイツの国としての姿の由縁や欧州におけるドイツの存在感の背景といったものが、おぼろげながらもイメージできたように思いました。
対象となる読者はどんな人たちなのか
△ドイツのことには関心がありますが、なにしろきちんと勉強したわけではないので、興味の赴くに任せて手軽な読み物を手にしては読み飛ばすということを日頃から続けています。この本もドイツ史について新しい知識を得るという意味合いよりもむしろ、今までいろいろと読んではきたけれどうろ覚えなこと、または既に忘れてしまっていることをおさらいするという目的で読みました。そうした目的を持つ人には手ごろな書ではないでしょうか。▼しかし気になることがひとつあります。「若気の至りの新皇帝ヴィルヘルム二世の不見識な行動(デーリー・テレグラフ事件)」というのが何を意味しているのかについて詳しい記述がない一方で、「水晶の夜」のことを「党の指令で集団的に襲撃され破砕されたユダヤ人商店のガラスが散乱した様をいう」と比較的詳しく注釈がされています。この書き方からは、「デーリー・テレグラフ事件」の方が「水晶の夜」より相対的に知られているという前提があるものと著者が考えていると思われます。しかし私は「水晶の夜」が何を指すのかは既に知っていましたが、「デーリー・テレグラフ事件」というのが何を指すのかは今もって分かりません。この二つの歴史的事件に関していえば、私程度の知識が世の中では一般的ではないでしょうか。 このような具合に、こちらの知識の多寡と本書の詳解ぶりがかみ合わない箇所が他にも散見されました。ですからどういう知識量を持った読者をターゲットにして編まれた本なのかということが少々気になりました。
岩波書店
フランス史10講 (岩波新書) 物語 ドイツの歴史―ドイツ的とはなにか (中公新書) ドイツ 町から町へ (中公新書) 図説 ドイツの歴史 (ふくろうの本) 現代ドイツ―統一後の知的軌跡 (岩波新書)
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