サラ金崩壊―グレーゾーン金利撤廃をめぐる300日戦争



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サラ金崩壊―グレーゾーン金利撤廃をめぐる300日戦争
サラ金崩壊―グレーゾーン金利撤廃をめぐる300日戦争

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タイトルが全てを語る必読の本

かつて団地金融といい,その後「サラ金」と言い換え,最後には消費者金融と自らを称していた高利貸し業界があった。その「サラ金」が崩壊していく過程を「中立的に」記述した本。

高利貸しである「サラ金」を自由市場論で論じ,あるいはヤミ金跋扈論で擁護しようとしていた日本の消費者を食い物にしている外資や,政治家(保岡・太田),サラ金に野放図に融資した銀行や,団信で利益を得ていた生命保険業界といった力学を余すところなく書き取っている。

ただ,「サラ金」がこれだけの規模に増殖した背景には,武富士の未公開株を当時の大蔵省次官が譲渡を受けていたという金融行政当局の負の遺産があることを指摘しておくことが必要だったのでは。

なお,筆者によると「中立的」とは,「相応の主張を公平に扱って筆者自身の考えを出さないということではなく,先入観を排してそれぞれの理論を自分なりに検証した上で,最終的には自身の見識や価値観に基づき判断する」といことだそうである。その点で,この本が2006年という「サラ金」崩壊の1年を説得的に書き取ることができたのは,筆者の見識によるということであろうか。

改正貸金業法の完全施行がなされていない現在,将来を見据える本としても,本書は必読であろう。
現代版、悪代官と高利貸し

2006年に起きた「グレーゾーン金利」を巡る業界、政界等の抗争と、撤廃という結果がもたらした消費者金融の崩壊を描いたもの。まるで、時代劇の悪代官と高利貸しを見ているようで、我が国の金融行政と業界の腐敗振りには暗澹たる思いがする。

「グレーゾーン金利」とは出資法で定められた29%という上限金利と、利息制限法で定められた20%という上限金利の間の利率を言い、それまで消費者金融が利率として用いていたものだ。従来の司法判断では「グレーゾーン金利」は無罪とされていた。この高利率の結果、消費者金融は"我が世の春"を謳歌していた。更に、この高金利では返済不能になる方が出るのは当然で、ヤクザまがいの取立てのノルマの厳しさも本書中で明らかにされている。

そして2006年の有罪判決が出て状況が一変した。TVのCMで複数の女性バレー・ダンサーを使ったものや子犬を用いたものが一斉に消えたのは、この判決によって多くの消費者金融が立ち行かなくなったせいである。しかし、一般人にとっては明らかに暴利と思える「グレーゾーン金利」を長年許して来た行政の怠慢は許せないと思う。この怠慢行政とそれに便乗した消費者金融の実態を暴いて胸のすく快著。


金融という名に値しない日本の貸金業者

サラ金、消費者金融、闇金など、金融という言葉が貸金業者全般に使われているが、そもそも金融とはまっとうな商売に使う言葉のはずです。本書を読むといかに日本の貸金業者が不当なビジネスを行っているのかが改めてわかります。
最高裁でグレーゾーン金利が厳しく糾弾されたにもかかわらず、未だに利息制限法を越える金利で商売している貸金・クレジット会社があるのだから、彼らのコンプライアンス精神などゼロです。

外からは見えなかった上限金利引き下げの舞台裏の攻防を詳述!

文句なしの星5つ(実質的にはそれ以上素晴らしい)。ものすごいノン・フィクションが出たなぁというのが第一印象です。この本は、マスコミ記者でしか知りえないようなかなり高度な内容を含んでいるので、消費者金融業界にある程度の知識を持った読者でなければ読みこなすことさえ難しいかもしれません。私は消費者金融業界のアナリストを務めておりますが、ずっと求めていた情報が本著に詳述されており、武者震いがしました。また、プロ中のプロであるSFCG(旧商工ファンド)の大島社長も先日開催された業績説明会の場において、「よく書けている」と本著を高く評価なさっていらっしゃいました。サラ金の上限金利問題が浮上したとき、誰もが思っていた「キャスティングボードを握っているのは、金融庁か、政治家か、マスコミか、業界団体か、弁護士か、外資系の意向を受けた米国政府か」という疑問が、本著によって明らかになります。業界関係者や金融株に投資している投資家にとっての必読書です。
血の通った金融ルポ

現役共同通信社記者の手による金融ルポである。
まだまだ記憶に新しい、最高裁によるグレーゾーン金利否定から
貸金業法成立までの出来事をほぼ時系列に追っている。

本書は、起こった事実をただ並べるだけではなく、
多くを金融庁職員など当事者からの証言で描いている。
人間ドラマと書いてしまっては安すぎるが、
無味乾燥な法律文を一つ成立させるために、
多くの人間たちの努力と軋轢、執念と妥協が
その裏に数多く隠されている点は、
一般報道からだけでは伺えなかった事実だ。

私もグレーゾーン金利の問題については一応、
新聞やテレビで追って来たつもりではあった。
しかし関係者たちに直に取材した記者の筆に、
(金融庁など、金融機関にやたら難癖をつける
嫌味な機関くらいの認識しかなかったが)
実に血の通った問題であることを再確認させられる。

本書に書かれている通り、昨年繰り広げられた一連の動きは、
確かに貸金業界とそれをめぐる問題の歴史的な転換点であったろう。
本書は後世から見たとしても、その貴重な証言である。



早川書房
アイフル元社員の激白―ニッポン借金病時代
Q&A新貸金業法の解説
理解されないビジネスモデル消費者金融
Q&A改正貸金業法・出資法・利息制限法解説 (SanseidoLawCapsule)
サラ金嬢のないしょ話 (講談社文庫)