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散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 63182 位
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軍人として、指導者として、そして家庭人として、まさに鏡と言える人物
クリント・イーストウッド監督の映画「硫黄島からの手紙」の観たことから、硫黄島の戦闘およびその指揮官であった陸軍中将栗林忠道に興味を持ち本書を購入しました。
勝つことを想定されない硫黄島の戦闘にかり出された2万人余の将兵の命を預かった陸軍中将栗林忠道の、人となりと彼の取った硫黄島防衛戦を、彼の書いた手紙、生存者の証言、および日米の資料から紐解き、現代によみがえらせた秀逸なる一書です。
栗林忠道は自ら自動車を運転してアメリカ大陸横断までやってのけた人物です。アメリカの絶大な国力を骨の髄まで理解していました。そしてその合理性も体得してきました。そして、硫黄島にアメリカ軍が侵攻してくる事になる前から日本軍に勝ち目はないことは重々承知していました。
そのようないかんともしがたい彼我の軍備・兵站の差を前に、いかに戦うかに考えを巡らした結果、彼が取った戦法は地下要塞を築き、あくまでもゲリラ的徹底抗戦を挑むというものでした。それによって
1.一日でも長くアメリカ軍を硫黄島に釘付けにし、東京をはじめとする日本の都市への本格的空襲を一日でも遅らせ、その間の和平交渉に期待をかける
2.硫黄島に於いてアメリカ軍に手痛い一撃を与える事により、アメリカ国民の厭戦気分を喚起し、アメリカ国内での早期終戦機運を高める
事を目指したのです。しかしながら、アメリカ軍の力は知米派であった彼の思惑をも遙かに凌ぐものでした。硫黄島の戦闘と平行して、アメリカ軍は東京への大規模空襲を敢行したのです。その事実を知ったときの彼の落胆は如何ばかりであったでしょう。
もし当時の日本軍中枢部が、冷静にアメリカの絶大な国力と日本の限定的な国力とを比較すれば、到底アメリカと戦端を開くなどと言う暴挙にでるわけはありません。まさに現実を全く認識していないとしか思えない無知蒙昧な日本軍にあって、これほど冷徹に現実を認識し合理的な行動を取った軍人がいたと言うことがまさに希有な存在です。彼はアメリカ軍と戦うと同時に、無知蒙昧な日本軍中枢部とも戦わなければならなかったのです。
栗林忠道の「予は常に諸氏の先頭にあり」の言葉は、どの時代であっても指導者全てが心するべき言葉でしょう。指導者はかくあるべしです。そして同時に、家庭人として妻や幼い子供を思うその心優しさにも心打たれます。軍人として、指導者として、そして家庭人として、まさに鏡と言える人物です。
知れて良かった
今まで生きてきて祖父母より戦争の話を聞いたり、個人的に戦争を調べたことはありましたが「硫黄島」について詳しくは知らずにいました。 本作品はとても読みやすく、忘れてはならない戦争の記憶であって、もっと沢山の人が知るべき内容がギュッと詰まっていると思います。 内容が軽い等、厳しい評価もありますが、まず、「硫黄島の戦い」を知るのであれば読みごたえのある充分な作品だと思います。
すごい指揮官
クリント・イーストウッド監督で硫黄島の作品を二部作でやると聞いて、かつ、アメリカ史に残る激戦を行った栗林中将を僕の尊敬する渡辺謙が演じると聞いて、栗林中将について勉強をしてみようと思い、本書を読んでみました。
この人は歴史に名を残すすごい指揮官だなあと思いました。現在でも十分に通じる指揮官としての条件を満たしています。
勉強になりました。
しかし、戦争は本当に悲惨だなあと思ったのと、当時の日本軍の絶望的な状況には心が詰まるものがあります。
一家庭人として、軍人として
号泣必死のルポです。
軍人としての栗林氏と、家庭人としての氏。どちらも実に潔く、また男らしいです。
特に家族へ宛てた書簡に関する部分は、ティッシュ五枚くらい使う勢いで泣けます。
戦争の悲惨さを改めて思い知らされる一冊。良書です。
映画に心揺さぶられた人にこそ読んでほしい
栗林中将(没後に大将)のことは、映画『硫黄島からの手紙』で初めて知り、
戦時下の日本にこれほど進歩的な考えを持った日本人(しかも軍人)が存在したことに驚いたものだ。
本書ではさらに、詳細な調査に基づいて彼の人柄にも迫っており、
映画で受けた印象からもう一歩踏み込むことができた。
男尊女卑の世にあって、また戦場の中でも特に苛酷を極めたという硫黄島に身を置いても尚、
妻からの手紙に一つ一つ返事をしてやる家庭人ぶり。
留守宅の生活を細部まで心配し、案ずる言葉のみならず具体的なアドバイスも欠かさない愛情。
戦地に赴く前は、自宅の女中も同じ食卓につかせ皿洗いまで自ら手伝ったと言うのには驚かされる。
上下の差は絶対とされた軍隊にあっても、目下の者に気さくに声をかけ、気遣ってやる。
硫黄島での「自ら現場に出る」という徹底した姿勢は作戦にも生かされ、兵士の士気をも高揚させたという。
戦局を考えれば持久戦は必至。
大切な部下たちに、単なる武士の美学ではなく、真の「甲斐ある死」を強いなければならない立場。
アメリカとの国力の差は痛いほど思い知っている。
栗林の心の内に秘められた苦悩は計り知れない。
一説によると、米国世論が人的被害に敏感であることをふまえ、
タブー視されてきた終戦交渉さえ念頭においてこの戦いに臨んだのではないかともいう。
栗林は一時新聞記者を志したこともあったそうだが、陸軍へ進まずに記者となっていたら・・・
あるいは、最後までアメリカとの開戦に反対した彼の主張に耳を傾ける者が上層部にいたら・・・
歴史に「たら」「れば」はないと知りつつも、つい悔しく思わずにはいられない。
しかしこれほどの人物が悲しく散らなければならなかった時代を
嘆く資格が私にはあるのだろうか。
新潮社
「玉砕総指揮官」の絵手紙 (小学館文庫) 栗林忠道 硫黄島からの手紙 名をこそ惜しめ 硫黄島 魂の記録 十七歳の硫黄島 (文春新書) 硫黄島の星条旗 (文春文庫)
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