規模の大小にかかわらず、取引先の倒産は企業の存続を左右する一大事である。それでも、多くの企業が取引先の財務状況を知らずに日々、取引している。もちろん、調査費用を十分にかけられる大企業ならいざ知らず、中小企業にとって、高額な調査費用を捻出するのは難しい。また、取引先が上場企業でない場合、財務データを入手すること自体困難である。 本書では、とくに中小企業経営者に向けて、費用をかけずに最低限の信用調査・与信管理をする方法を指南している。全体の約半分は、流動性分析などを中心とする定量分析の手法について述べられているが、とくに注目したいのは、中小企業向けに書かれた残り半分の内容。開示データの少ない取引先の財務データを、業界平均などから割り出す方法や、財務データからだけではわからない危険性を、経営者の人柄や手形、モノや人の動きなどから推し量る方法を示している。実際に倒産した企業の財務諸表や定性情報も掲出しているので、とくに中小企業経営者にとって有用な1冊である。(土井英司)
日本経済新聞社
いまさら人に聞けない「与信管理」の実務 (基礎知識と実務がマスターできるいまさらシリーズ) 危機の時代の与信管理強化策―審査のプロが基礎から説くQ&A30 得意先管理・与信管理の実務―コゲつき・貸倒れをなくす 会社の調査・与信と回収実務―サバイバル時代のリスクマネジメント 与信・債権回収管理ハンドブック
|