善き人のためのソナタ スタンダード・エディション



善き人のためのソナタ スタンダード・エディション
善き人のためのソナタ スタンダード・エディション

ジャンル:DVD
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参考価格:¥ 3,982 (税込)

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アカデミー賞外国語映画賞を受賞、この第一級のサスペンスはベルトリッチの『暗殺の森』やコッポラの『カンバセーション・盗聴』のように、カー・チェイスよりも人間ドラマ志向だ。舞台は東ベルリン、時は1984年。すべては単純な調査の任務から始まる。ゲルド・ヴィースラー大尉(抑えていながら深く感情を込めた演技のウルリッヒ・ミューエ)は国家保安省シュタージの一員。この手の仕事のスペシャリストだ。有名な劇作家ゲオルク・ドライマン(セバスチャン・コッホ、『ブラック・ブック』)とその恋人で女優のクリスタ=マリア・ジーラント(マルティナ・ゲデック、『マーサの幸せレシピ』)を監視することになる。ドライマンはブラックリスト入りしている演出家アルベルト・イェルスカ(フォルカー・クライネル)のような反体制派と関わりがあることで知られているが、記録には傷がない。だが、この実直に見える市民を監視する隠れた動機がヘムプフ大臣(トーマス・ティーメ)にあることがわかり、すべては一変する。すなわち、この監視には個人的な理由があったのだ。こうしてヴィースラーの共感の対象は政府から国民へ――少なくともこの一個人へと移行していく。危険は承知の上で、ヴィースラーは特権的な立場を利用しドライマンの人生を変化させる。ここでヴィースラーがおこなう神のような行動は些細で誰にも知られないものかもしれないが、すべてに大きな影響を与えるかもしれない。ヴィースラー自身に対しても。監督・脚本のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクは単純な設定から始めて、複雑な状況と感情的な関わりへと発展させ、見事な長篇第1作を展開させる。3つのエピローグはどう考えても多すぎるが、『善き人のためのソナタ』は全編にわたって気品があり、混乱のない映画だ。ヒューマンドラマの傑作。(Kathleen C. Fennessy, Amazon.com)



芸術

東西冷戦下の東ベルリンを舞台にした、重厚で崇高な物語。ドイツ語の発音の特性が、その魅力に拍車をかけている。

ストーリーは、反体制を取り締まる国家機関「シュタージュ」に属するヴィースラー大尉が、監視していたドライマンの演奏したピアノによって人間として目覚めていき…というものである。
全体的にとても暗く重たい。しかし、それがリアリティを生み、この作品に深みを与えているのだと思う。

また、このような静粛なストーリーの中で、シュタージュ文化部部長グルビッツが食堂で部下に見せたブラック・ジョークの場面は、とても面白かった。
と同時に、怖くもあった。冗談が本来の役割を果たさないというのは、恐ろしいことである。

この作品は、芸術の持つ力、人間の持つ強さ美しさ虚しさ、というものを誠実に秀逸に描いている。
粋なラストには、鳥肌が立ち涙しました。ここ5年間で、最も感動した映画です。今後も、ドイツ映画に期待したいです。
ドイツェ

共産主義政府に反政府いわゆるアナーキストと捉えられた芸術家の主人公達。
その監視社会に危険人物としてマークされる主人公達。そして善い心を捨てられなかった内部の者が手をさしのべる暗いようで温かさのある映画でもあり最後のシーンは悲しさに包まれる。家族、恋人との愛。
正に混沌カオスである当時の共産主義時代を描写した映画。かなりお勧めです。
ちょっと長いけど少しも眠くならないで最後まで見ました。
こういう国が未だにあるって事を思い返さなければなりません。
着想が素晴らしいだけに・・

秀作であることは間違いない。アカデミー賞外国語映画賞受賞をはじめ、多くの人の支持を
受けるのも当然である。その上で冷静に、良かった点と残念だと思った点をそれぞれ記す。

まず良かった点は、着想がとても映画らしいということだ。物語のあらすじを聞くときっと
万人がドキドキするであろう。つまり着想だけでも、十分感動を与えられるお手本のような
話なのだ。しかも最後の一瞬のエピソードは、「ラストエンペラー」のように見事である。

しかし、最初の各人物のプロフィール紹介が如何にもというふうに極端なだけに、後からの
変化があまりに単純に見えてしまう。例えばヴィースラーはあんなに怖かった割りに、神の
如き心の持ち主への変化が簡単すぎる気がする。またクリスタは何度も心変わりし、悲劇の
女性としてもうひとつ感情移入できない。着想が良かっただけに、少し惜しまれる点である。
静かで美しい

久々に重く美しい感動作を観た。

舞台はベルリンの壁崩壊前の東ドイツ。
私が幼いころのドイツ。記憶にあるのは崩壊した壁の映像。
それ以前に隠された抑制された社会主義国の姿を私はまったく知らなかった。

主人公は尋問と監視のプロ。冷酷ささえうかがわせるヴィースラー大尉。

そしてそのシュタージの監視下となる劇作家ドライマンとその女クリスタ。

冷酷なシュタージとして生きてきたヴィースラーにとって、盗聴器で初めて触れる、

交わされる愛の言葉。
自由な思想。
ソナタの調べ。

この物語が描くのは、東と西でもなく、悪と善でもない。

どんなに固められた権力の下でも、人間の本質は縛ることはできない。

人は本能を揺さぶる芸術や愛に触れたとき、人はこのヴィースラーのように生きる歓びに震え、たとえ、名声や肩書きをなげうっても、それを守りとするのだろう。

それが芸術や愛の美しくも恐ろしいちから。

ドライマンとヴィースラーが最後まで、一度も言葉を交わすことないというラストの美学にため息がでました。

本当に儚くも美しい映画。

影と、ほんの一筋の光と

(※結末を知りたくない方は避けて下さい)
 この物語の悲しさの根底にあるものは、「拠り所を失くした人間の脆さ」なのだと思います。
 仕事を奪われた演出家しかり、自分の弱さに勝てなかった女優しかり、そして、権力欲などとは無縁の所で社会主義が目指す理想の実現のために生きてきたはずだった主人公。今まで絶対と思って尽くしてきた国家に信念のために背いたとき、今度はそれが彼の前途を奪ってしまいます。
 彼は英雄的行為をしながら、誰に知られることも、まして讃えられることもなく、出世の道を閉ざされ閑職へ追いやられてしまう・・・人間らしさに目覚めた彼がそのために抹殺されてしまったことが、やりきれない悲しさをもたらすのでしょう。

 でもだからこそ、最後に真実を知った作家が彼に報いるために刻んだたった三行の献辞が彼に再び命を与えるあの場面が、観る者の胸を熱くします。
 一人の人間は、所詮ちっぽけで無力な存在なのかもしれません。それでも、そんな人間が見せる気高さ、美しさを、暗い社会を通して見事に描き出した作品です。



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