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失われた史前学―公爵大山柏と日本考古学
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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「元華族」の名の元に抹殺された業績を明らかにした好著
一見すると考古学の難しい本のようですが、戦前に私財を投じて日本の考古学に寄与した大山柏公爵の評伝といってもよい内容です。
実は私は大学時代に考古学を学んだことがあるのですが、「大山柏」の名前はこの本に出会うまで一度も聞いたことが無く、著者の阿部氏が指摘するとおり大山氏は学会から抹殺された存在だと感じました。それは大山氏の主催していた「史前学研究所」が東京大空襲で消滅したことにも原因があるようですが、何よりも大山氏が華族出身であったことが背景にあることがこの本で明確に指摘されています。大山氏と関係のあった考古学者は長谷部言人、相沢忠洋、角田文衛ら多数にのぼりますが、それでも日本考古学会から「大山柏」の名前が消えた背景に戦後の思想潮流があることは阿部氏の指摘のように無視できないものでしょう。
最近問題の多い日本の考古学に携わるみなさまにはもちろん、戦後の歴史を見直したい方、華族史に興味のあるみなさまにもお薦めの本です。岩波書店から出る本は文章が難しいものが多い傾向が見受けられますが、この本は平易ですんなりと読みやすいと思います。
岩波書店
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