故郷に錦を飾る?
舞台は中国の清朝康煕帝の時代。主人公は口がうまいだけが取り柄の少年・韋小宝。母親は揚州の女郎屋の女郎。父親は誰だか分からない。生まれも環境も劣悪な中で育ったが、口八丁手八丁で、いつの間にか「皇帝の側近」「邪教の幹部」「天地会の幹部」に成り上がった。その少年が「故郷に錦を飾る」旅に揚州に出掛けたのが、この第7巻である。 まずは母親に会いに行く。今をときめく皇帝の第一の側近として会いに行けば、当然、母親は信じない。そこで、ボロを身にまとい、出掛けていくが、そこで、また仇敵と鉢合わせになってしまう。 絶体絶命のピンチを、また口で乗り越えようとするが……。これ以上は、読んで下さい。 金庸の武侠小説では、主人公は、ほとんどが誠実で努力家の青年である。それが本書は違う。いくらやっても武術をマスターできない。ウソばかりついて乗り切っている無頼漢みたいな小僧が主人公である。 「ほら吹き男爵の冒険」の中国少年版とでも言うべきか。 だが、やはり面白い。息をつかせぬストーリー展開はシドニーシェルダンも顔負け。アレクサンドル・デュマも驚くのではいかとさえ思う。ところどころ本当の史実と同じものが出てくるところが、また興味をそそるのである。 主人公はほら吹きの少年だが、世の中の悪人のウソの手口も、ここまで巧妙ではないだろうというくらいのウソの名手である。夫婦ゲンカの時の参考にしたら、必ず勝てるのではないでしょうか。
徳間書店
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