1996年に「新世紀エヴァンゲリオン」を発表し、センセーションを巻き起こしたGAINAXの第1回制作作品。庵野秀明が作画監督に、平成「ガメラ」シリーズの特技監督・樋口真嗣が助監督として参加している。 湖のほとりの王国・オネアミスには30年の歴史を持つものの、現在では闘わない軍隊と化している王立宇宙軍があった。人工衛星も満足に打ち上げられない軍に、シロツグ(森本レオ)の宇宙への夢も遠ざかるばかり。そんなある日、街で神の教えを説く不思議な少女リイクニ(弥生みつき)と出会ったことで、彼は仲間の反対にもめげず、宇宙パイロットに志願してしまう。かくして王立宇宙軍の、威信と名誉をかけた有人宇宙船打ち上げ計画が開始された。 制作当時24歳だった山賀博之監督は、困難を乗り越えて宇宙へと旅立つシロツグの姿を、独自の姿勢と手法でアニメ制作の道を切り開くGAINAXの仲間たちと重ね合わせている。演出はシロツグたちの生活ぶりのシチュエーションを細かく積み重ねた後に、クライマックスのロケット発射でカタルシス炸裂という正攻法を用いている。(斉藤守彦)
20代前半までに観たかった映画
出会うのが遅すぎました。もっと若いときに観ればよかった。がんばるのは他の人にかっこ悪いと思われるんじゃないだろうかと考えたり、何かに一生懸命になりたいのにその「何か」が見つからなかったり、周りに流されている自分が嫌になったり、大人は汚いと思ったりしていたころに観たら、すごく共感できたと思います。残念ながら、今は「大人」の世界の住人になってしまって、うまく周りと折り合いをつけていくことを生活の知恵として身に付けてしまいました。それは決して悪いことではないし、この世界で生きていくには大切なことだと思います。でも、そんなふうに生きている私には、この映画は説教臭く、そして青臭く感じてしまいました。30代になった今でも、共感できる「青春映画」はあるんですけどね。でも、この映画はだめだったなあ。評価がとても高いので、期待が大きすぎたのかもしれませんが。 でも、今の時代にだからこそ心に響く部分があって、そこは良かったと思います。最近は戦争が身近なものなってしまい、そのことについて考える人は増えているのではないでしょうか。私も、最近の戦争について考えることが多いです。そして、「大人」になった今でも、戦争の矛盾とか不純とか正しくなさを感じています。この映画でも、夢を託した宇宙船が政治の道具となってしまい、翻弄される宇宙軍の面々が描かれていました。それでも、困難を乗り越えて、人が殺しあっている地上を遠く離れ、まだ汚れていない宇宙で祈りをささげるシーンは胸にジーンと来るものがありました。 ストーリーにはやや不満を残しつつも、音楽やディティールの懲り方に関してはすばらしいなと思いました。お話を盛り上げる音楽と、券売機や船出する人の見送りの方法など、細部にまで工夫が施された美術がとても良かったです。あと、これは好き嫌いが分かれると思いますが、森本レオの声は聞き取りにくくて、ちょっとなあと思いました。でも、主人公の優柔不断さを出すには森本レオが必要だったのでかもしれませんが。
バンダイビジュアル
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