すごい表現者だと思う
私はまさしく斑鳩・奈良の出身でここに出てくる仏像や建物、風景、よく知っている。が、彼の写真を見るとまったく別のものに見えてくるから不思議だ。 その理由は、表紙の写真にも表れている様に、彼独自の表現方法を駆使して写真を撮っているからだ。仁王像のここまでの猛々しさを、この写真を見ることなしに私は掴み取ることはなかっただろう。 阿弥陀如来の指先に現れるたおやかさ。 時代を感じさせる木の割れ目。 既存のものをここまで自分の表したい形に表せるなんて、きっと土門拳だからこそ出来る技なのだろう。
お手ごろ土門
オールカラーの一冊。 力強い構造の法隆寺・東大寺・浄瑠璃寺、その仏像、その風景の写真。 土門拳の写真と文章が6:4か、7:3ぐらいの割合で展開される。 文章は土門独特の切り口で、それぞれの寺・仏像について解説を入れている。 土門の写真には実直さがあり、また、仏像・建物の事を良く知って撮っているという印象だ。仏像写真でよく知られる土門拳だからこそ、寺関係者を排除して"こっそり"撮れた(彼以外は絶対撮れない)写真も多く存在するのだ。 対象物も国宝・国宝級、撮影者も最高、この作品集がなんとポケットサイズでこの値段という点で、私は迷わず★5つをつけた。 いつでも好きな時、好きな場所で、これらの国宝(作品)を味わう事が出来るのだから。
小学館
土門拳 古寺を訪ねて―奈良西ノ京から室生へ (小学館文庫) 土門拳 古寺を訪ねて―京・洛北から宇治へ (小学館文庫) 古寺を訪ねて―東へ西へ (小学館文庫) 入江泰吉 私の大和路―春夏紀行 (小学館文庫) 古寺巡礼 (岩波文庫)
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